ヒストグラム
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真冬の寒空の下、交番(当時派出所)で1人の警察官が殺害されました。
あれから15年、懸命の捜査にもかかわらず、犯人はまだ捕まっていません。
時効まで1ヶ月、刑事たちは最後の戦いに挑みます。
2月のその夜はひときわ寒い夜でした。
真冬の張りつめた空気の中、明かりの消えた団地の一角にぽつんと立つ旭が丘派出所は、いつも温かい光をたたえ、住民の安心のよりどころとなっていました。
その日、42歳の大越巡査長(当時)は、いつも勤務している派出所ではなく、たまたま応援のために旭が丘派出所で勤務していました。
普段なら深夜帯でも2人で勤務しているところでしたが、そのときもう1人の警察官は、取り扱いで外に出ていたため、大越巡査長だけが交番で勤務していたのです。
そして深夜、人気の途絶えた時間帯に、交番の中で、その惨劇は起きました。
大越巡査長は、地理案内をしようとして襲われたのではないかと考えられています。
机の上には電話帳が置かれており、犯人は「この辺に○○はありませんか」というようなことを言って交番に入ってきたのかもしれません。
その後、首や左胸をナイフで刺され、血まみれで倒れているところを新聞配達員に発見されたのは、午前3時22分のことでした。
当時の同僚警察官はその日のことをこう語っています。
「明け方の3時30分頃、当番勤務も一段落し、休憩時間に入ろうとしていた私に、後輩が『先輩、旭が丘の大越班長(巡査長のこと)が怪我をしたみたいです』と叫んで飛び込んできました。慌てて無線を耳にすると『警察官が首と胸を刺され、血まみれで倒れている』との本部からの通話が聞こえました。『まさか班長が』と思うと同時に、身震いが止まらなくなりました。『班長、生きていてください』と念じ続けましたが『午前4時死亡確認』という無線の絞り出すような震える声を耳にして、涙が溢れました。同じ交番で1年近く、苦楽を共にした私は、班長の優しく思いやりのある人柄を尊敬していました。翌朝交番には地域の人たちが次々に来てくれましたが、皆涙で会話もできませんでした。」
「なんとしても犯人を逮捕する」全ての警察職員の一貫した想いです。
捜査員の数は延べ約13万6千人。
皆さんから提供された情報も約3100件にのぼります。
その情報ひとつひとつを確認する作業は決してた易いものではありませんでした。
聞き込みひとつにしても、何回も足を運び、やっと口を開いてくれる人もいます。
捜査員たちは、こつこつと捜査を積み重ね、気がつけば時効の15年目を迎えていました。
大越巡査長の写真をいつも胸に入れている捜査員は「時効で焦ると言う気持ちはない。まだ一ヶ月ある。悪は絶対に逃さないという気持ちと遺族の願いをかなえるために必ず犯人を捕まえる。」と語りました。
どんな情報でも結構です。
「今さらこんなことを言ってもしかたがないのでは」と思わずに、迷わず捜査本部まで一報してください。
あなたの情報が犯人を追い込む手掛かりとなります。
犯人逮捕に向けて捜査員は今日も聞き込みを続けています。
この事件の解決に最も寄与した情報提供者には、東村山署防犯協会が組織する懸賞広告実行委員会から、懸賞金300万円が支払われることになっています。
みなさんの情報をお待ちしています。
◎分かっていること
1.犯行の約1時間前に大越巡査長は同僚と話をしていました。
2.午前3時10分から15分までの間に警察官と背の高い男が交番内で話をしている目撃情報が複数ありました。
男の特徴は
●黒っぽいジャンパーを着ており
●身長175cmぐらいで大越巡査長(165cm)より明らかに背が高く、前後の目撃状況等から、この男が犯人の可能性が高いと考えられます。
3.凶器は刃渡り約9cmの刃物、手製の可能性もあることからサバイバルゲーム愛好者の可能性もあります。
4.犯人はけん銃(S&Wチーフス38口径実包5発入り)を奪っていますが、けん銃はその後全く使用された形跡がないため、けん銃マニアの可能性もあります。
5.事件当日の主な出来事
○アルベールビル冬季五輪ではラージヒル団体やスピードスケートが行われていました。
○国連がPKFユーゴ派遣を勧告しました。
○テレビ番組では「金曜ロードショー(戦略大作戦)」、「刑事貴族2」、「アルベールビルオリンピック'92」などが放送されていました。
◆東村山署旭が丘派出所警察官殺害事件特別捜査本部
TEL(042)392-3290・3291