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坂本堤弁護士一家の遺体発見から10年の節目に、一連のオウム真理教(アーレフに改称)事件が残した教訓を再認識しようと「こころざしは時を超えて」と題する追悼集会が10日、横浜市中区の同市教育文化センターで開かれた。
日本弁護士連合会(日弁連)と横浜弁護士会などが主催し、約250人が志半ばで逝った3人をしのんだ。
堤さんと妻都子さんの友人は「高校生の時から正義感の塊のような男だった」「大学時代、犯罪被害者やアジアの子供など弱い人たちにまなざしを向けていた」と2人の人柄を紹介し「事件が風化しないよう語り継いでいく」「都子さんの遺志をこれからも一つ一つ形にする」と誓い合った。
オウム裁判の傍聴を10年以上続けている新聞記者は「坂本さん一家がなぜ殺されなければならなかったのか。なぜ一家が失跡したことにされたのか。裁判では正面から解明されていない」と指摘。
オウムの犯罪について「一人の極悪人が率いた特殊な集団の特異な事件と考えてはいけない。社会の闇の部分をオウムが代表していたのかもしれない」と訴えた。
中村裕二、木村晋介両弁護士は、事件後に弁護士に対する脅迫行為が増えている現状を説明。
このほか、都子さんが19歳の時に編んだ詩をベースにした追悼歌「SATOKO」の演奏や、坂本さん一家の写真のスライド上映なども行われた。
閉会のあいさつに立った日弁連の梶谷剛会長は「弁護士の仕事は命をかけることもある。坂本さんはそれを実践した」とたたえ「勇気ある弁護士がいたことをわれわれは永遠に忘れない」と述べた。
◆坂本弁護士の母・さちよさんのあいさつ(代読)
今はもう、仏となった子供に手を合わせるしかありません。
そうして自分の心を落ち着かせたいと願っています。
いろいろありましたが、余生は穏やかに過ごしたいと願っておりますので、皆さんには温かく見守っていただきたいと思っています。