ヒストグラム
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宮城県の駐在所で起きた警部補刺傷事件で、逮捕された少年(14)の自室で24日、モデルガンの「弾痕」が見つかった。
自宅の家宅捜索では、モデルガン12丁や果物ナイフなど計百数十点が押収された。
少年が銃目的で別の駐在所に侵入したことも分かり、関係者に驚きや困惑が広がった。
なぜ、本物の銃を手に入れたかったのか。
県警佐沼署は少年の部屋からモデルガンなどを押収し、動機などの解明を急いでいる。
木造2階建て住宅の1階6畳和室が、少年の部屋で、アニメのポスターが壁に張り巡らされ、机の上などには戦闘ロボットや少女のフィギュア人形が並んでいた。
モデルガンや約20本のゲームソフトがあった。
障子にはモデルガンの弾で開けられた穴もあり、ふすまには刃物で切りつけたような跡も見つかった。
父親(44)や祖母によると、少年はテレビゲーム機を買ってくれた祖父を慕っていたが、その祖父は4年ほど前に亡くなった。
母親(38)も入退院を繰り返すなど、ここ数年で少年の生活環境にも変化があった。
小学生のころは、家族そろって取っていた食事も「中学入学後は、部屋で1人でゲームをしながら食べるようになった」と祖母はもらす。
父は「息子とは余り話さない。反抗期もなく、好きなゲームなどをねだることもなかった」と言う。
昨年、少年は家族に「将来、ガソリンスタンドか役場で働きたい」と話した。
しかし、同級生の1人は少年が「将来のことは考えたくない」と話すのを聞いている。学校関係者も「悩みがあったようだが、明るく生活できるよう励ましてきた」と、家庭の事情などで悩んでいたことを示唆した。
「なつやすみ はなびのように おわったよ」
机の前には、小学5年の時、地元の小中学校俳句大会で入選した句が今も張られていた。
少年が通っていた石巻市内の中学校では24日夜、緊急の保護者会を開き、事件の概要と今後の対応を説明した。
1年生の女子生徒の父親は「十分な説明が受けられたが、娘は少年と小学校が一緒だったから、ひどくショックを受けている」と表情を曇らせた。
保護者会は約300人が参加し、冒頭以外は非公開で開かれた。
校長は「大変残念なことをお話しなければなりません」と切り出した。
父母からは事件の詳細や今後の対応策の時期などに関する質問が出た。
同中では夏休み最終日の25日、全校生徒を集めて臨時の全校集会を開く。