ヒストグラム
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東京都八王子市のスーパーで1995年、高校生ら女性3人が射殺された強盗殺人事件は、未解決のまま30日で10年を迎えた。 警視庁八王子署捜査本部には延べ約9万8000人の捜査員が投入されたが、犯人特定には結びついていない。 公訴時効まで5年。 「犯人は絶対捕まると信じているから生きてゆけるんです」と遺族は話す。 当時の同級生らは「10年は区切りでも節目でもない。1人でも多くの人に銃の恐ろしさを伝えていきたい」と銃器根絶を訴え続けている。 事件は1995年7月30日午後9時15分ごろ、閉店したばかりの「スーパーナンペイ大和田店」で起きた。 外階段から2階事務所に侵入した何者かが、パート店員、稲垣則子さん(当時47歳)、アルバイトの私立桜美林高2年、矢吹恵さん(同17歳)、都立館高2年、前田寛美さん(同16歳)の頭を拳銃で撃って殺害した。 金庫をこじ開けようとした跡があったが、売上金など約500万円はそのまま残されていた。 捜査本部は29人態勢で捜査を続けている。 調べでは、使われた拳銃は38口径回転式。 事件前後に近くで不審な白い乗用車が目撃されている。 10年間で約650件の情報が寄せられたが、解決には結びついていない。 矢吹さんの高校の同級生や教諭は事件後、「銃器根絶を考える会」をつくり、文化祭やホームページなどで、同じような事件が2度と起きないよう訴えてきた。 メンバーの後藤恵美さん(26)は「メグは、明るくてまぶしい、ひまわりのようなイメージ」と今も思い出す。 会社員になって5年目。 「メグだったらいい保育師になっていただろう」と保育師を夢見ていた矢吹さんを思う。 在校生は、3年生でさえ当時は小学2年生。 文化祭で銃器犯罪の根絶を訴える同会の展示でも、事件を報じる新聞記事の掲示が不可欠になった。 一方で最近、これまで参加したことのない同級生が手伝ってくれるようになった。 「子供を持って事件への見方が変わったという同級生もいる。自分たちの思いを多くの人に伝えていきたい」と後藤さんは話す。 矢吹さんの母恵美子さん(55)は「気持ちは10年前と変わらない。気持ちを言葉にしようと思っても、見合う言葉が見つからない。犯人は絶対捕まる。解決すると信じているから生きてゆけるんです」と話す。 スーパーは7年前に閉店し、今は駐車場になっている。 30日午前、現場で八王子防犯協会主催の献花式があり、地元住民ら約200人が出席。 捜査本部員全員も参列し花を手向けた。 午後には、町田市の桜美林学園で礼拝が行われる。
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